EAの回転力 コストパフォーマンス
みなさんこんばんは。Mr.Kです。
前回から引き続き、EAの収益力を決める一つの要素である回転力についてお話します。
前回はPFが低いEAでも高いEAより同期間、同資金で収益力が高いEAもあるというお話をしました。
回転力がどのようなものであるかは理解していただけたと思いますが、意図的に一つ説明しなかった要素があります。
※ 実際は分量の都合で無理だったわけですが・・・。
それがパッケージ全体での回転力です。
今まではWallStreetForexRobotを比較に使う場合でも1通貨ペアだけしか比較しませんでした。
「商品性が低いわけではない」お断りしましたが、比較を行うときは、商品全体同士で比べるのが正しい形です。
今回はFX-ONで一時期話題になったEAであるTAIGUNシリーズのTAIGUN Proを例にして解説していきます。
このEAを取り上げる理由は、まず廉価版の無印TAIGUNが発売されたとき、かなり期待をしていたことと非常に安価でお得感が高いEAだったことです。
採用しなかった理由は、絶対的な成績が私の基準に満たなかったことと、最大ポジション数20ポジションはスキャルにしては多すぎるからです。
現在最大ポジション数5の新バージョンに切り替わっていますが、公開されているバックテストが20のものですので、それを前提にお話を進めます。
ご了承ください。
このEAのバックテストのグラフは見ると分かりますが、2013年の半ばから急に成績が悪化しています。
この辺からはほとんどのスキャルが成績を落としていますので、特にTAIGUN Proだけが成績が良くないというわけでは無いと思います。
まあ、運が悪かったといえばそれまでですが・・・・・。
EAというのは販売されるタイミングによっても売れ方が全然違います。
特にFX-ONはフォワードをきっちり行いますので、販売された初月のフォワードが良いと売れゆきにもかなり影響が出るのと思います
バックテストの成績が振るわないと結局はあまり成績が上がらない可能性が高いので、このブログを見ている賢明な皆さんは飛びつかないようにしてください。
最近、バックテストの結果がPF1.09のEAが売れていて驚いた記憶があります。
こういうのは一時的に成績が良くてもダメですから(笑
焦る必要はないので、最低半年はちゃんと見極めるようにしてください。
前置きが長くなりましたが、解説に入ります。
※ このバックテスト結果は、作者さんが無償で公開しているものです。素晴らしい取り組みだと思います。
※合計に関しては Report Manegerで結合いたしましたが、あまりに取引数が多すぎるのか保存が出来ませんので、直接SSを撮りました。
今回も
同ロットにおけるWhite Bear V3のバックテストを使います。
上がそうです。
相変わらず素晴らしい成績です。
比較しやすくするために表に起こします。
TAIGUN Pro EURUSD5M | TAIGUN Pro EURUSD 30M | TAiGUN Pro GBPUSD 5M | TAIGUN Pro GBPUSD 30M |
|
---|---|---|---|---|
PF | 1.4 | 1.28 | 1.28 | 1.25 |
T/D | 8.65 | 3.90 | 8.72 | 3.85 |
1取引当たり の利益 | 0.12 | 0.10 | 0.11 | 0.10 |
総損益 | 1169 | 423.37 | 1044.78 | 445.20 |
MaxDD | 180.15 | 62.13 | 230.01 | 73.28 |
TAIGUN Pro 合計 | White Bear V3 | White Bear V3 (同リスク設定) |
|
---|---|---|---|
PF | 1.307 | 4.65 | 4.65 |
T/D | 25.11 | 1.46 | 1.46 |
1取引当たり の利益 | 0.109 | 0.4 | 6 |
総損益 | 3082.59 | 665.94 | 9989.1 |
MaxDD | 278.80 | 36.00 | 540 |
上が回転力も含めた比較になります。
ロットは全て0.01です。トータルで見ると、プロフィットファクターが上のWBV3より稼いでいます。
但し、TAIGUN ProとWhite Bear V3ではロット当たりのドローダウンが違いますので、それを反映させる必要があります。
TAIGUN ProのMaxDDが278.80、White Bear V3のMaxDDは36.00ですので
278.00/36.00=7.74
MaxDDからはじき出したTAIGUN ProがWhite Bear V3と同じリスクになるロット数は
TAIGUN Pro 0.01ロットに対してWhite Bear V3=0.07ロットです(端数は切り捨て)
加えて、TAIGUN Proの合計のPFは1.307ですので、ロット数を資金の5%とします。
White Bear V3は10%と設定しますので、これを勘案すると
TAIGUN Pro 0.01ロットに対してWhite Bear V3=0.15ロットということになりますね。(端数は切り捨て)
TAIGUN Proと同リスク値に設定したのが表の一番右側です。
大差をつけられていますね。
私がTAIGUN Proを採用できなかった理由はやはり各通貨ペアの5Mと30Mの損益が似ており、単体で使うよりMaximalDDが大きくなってしまったということです。
普通はポートフォリオというものは互いにカバーしあうような形になるのが理想なのですが、そうではないということですね。
あと1通貨ペア増やして、PFが1.35以上になったら、MaximalDDに対する資金量を10%にして良いと思いますので、そうすればなかなか使えるEAになるんじゃないでしょうか。
回転力は25.11T/Dと目を見張るものがあります。
一日に平均すると25回以上取引するということですから、常にポジションを持っていないと気がすまないという方にとっては良いかもしれません(笑
但し、一回のエントリーで最大20ポジション持つ可能性があるそうですので、そこまでエントリーの回数は多くないかもしれません。
トータルでPF1.35、T/D20以上くらいのEAがあれば、使っても良いのではないかと思います。
また、キャッシュバック口座を使えば、キャッシュバックも期待できますので、見かけ以上の収益力を期待できるということです。
今回TAIGUN Proは残念な結果になりましたが、コンセプトとしてはPFはさほどでなくても、ひたすら回転力を高める方向にロジックを組むのも一つの考え方だと思います。
似たようなコンセプトのEAはTrinity Scalperがあります。
回転力の高いEAは成績が安定しないのでロット数が上げられないのが難しいところです。
TAIGUN Proも惜しいですが、やはり採用するには至りませんね。
私は正式に採用しているものはありませんが、こういう考え方のEAは大いにありだと思っているので、このタイプのEAで今まで述べてきたような基準に達するようなものがあればレビューしたいと思います。
※ 追記 コストパフォーマンスに関する言及がありませんでしたので、追記します。
全体の収益力に問題があるEAは単通貨ペアでの回転力を高めるか、それが無理の場合(大部分は無理です)多通貨ペア対応として、結果としての回転力を高めようとします。
WallStreet Forex Robot典型的な多通貨ペア対応EAで、その中間がTAIGUN Proです。
こうすることによってコストパフォーマンスを上げているわけです。
対応通貨ペアと回転力、価格には作者の意図するものが含まれていますので、比較すると良く分かってくると思います。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。


ブログランキング参加中!応援お願い致します。
もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。